シュトゥットガルト自由大学 シュタイナー教員養成ゼミナー

本大学は、シュタイナー学校(ドイツ国内220校、全世界1000校以上)の教員養成を目的とした大学であり、学士課程(Bachelor)、修士課程(Master)があります。ルドルフ・シュタイナーが唱えた人間学(人智学)に基づいた教育学を中心に学び、クラス担任(1〜8年生を持ち上がりで受け持つ)、専門科目教師、ならびに高等部教師(日本の中学3年生〜高校3年生にあたる)の資格を得る事が出来ます。専門科目は芸術、音楽、体育、木工/金工、手芸、外国語、園芸があります。 本校は最初のシュタイナー教員養成ゼミナール(1928年設立)であると共に、世界で初めて大学としての認証を政府から得た大学です。故に本校での単位は、他の教育機関においても通用されるものです。また、これまでの大学や専門学校での単位、他のシュタイナー教員ゼミナールにおける単位を適応する事も可能です。近年のEUにおけるボローニャ・プロセス(大学編成)に対応する為に、本校も学士課程(Bachelor)と修士課程(Master)を新設しました。それはシュタイナー教育及び、人智学を現代に於ける世界の教育事情に適合させる事により、その内容をより多くの人に理解してもらうことを目指した、発展の過程でもあります。

 本大学においては、教育を芸術活動として位置付け、常にその更なる探求と発展に努めています。近代科学に基づいた教育学を基礎とし、創造性や情緒(精神、心)の発達を考慮した人間認識学、特にルドルフ・シュタイナーの唱えた人智学が、教育を豊かなものとする要素として、本大学のカリキュラムにおいて重要な役割を担っています。また、1987年以来続いている、本大学での教育科学研究会においては、近代科学の視点を欠かない様にする為に、シュタイナー教育関連以外からの講師を招き、意見交換の場としています。本大学での講義や研究は、常に教育現場に根ざしたものであると同時に、実践に活かされる事を前提としたものです。

本大学では、下記の4分野を中心にその履修課程が組み上げられています。

  • 社会学/人間学:子供の発達をホリスティックに理解する基礎としての人間学、発達心理学、並びに人智学を学びます
  • 芸術的教育:学生自身の創造性と人格を発展させる手段としての芸術活動に、多くの時間が当てられています。その科目は、言語形成、音楽、絵画、彫塑、オイリュトミーです。
  • 教育実習:実際の教育現場の経験が教員養成に於いて、最も重要な要素である為、様々なシュタイナー学校での教育実習があります。
  • 専門科目:シュタイナー教育に於いては、それぞれの教師が特定の分野を高めていく事を重要視します。本校では現時点で芸術、音楽、体育、木工/金工、手 芸、外国語、園芸の中から選択する事が出来ます。これまでの経験を活かした分野を選ぶ事も可能ですし、全く新しい科目に挑戦する事も可能です。また、シュ トゥットガルト・オイリュトミウムとの提携により、専門科目としてオイリュトミーを選択する事も可能です。

 

本大学では、下記の課程を履修する事が出来ます。

  • BA(学士):3年間の課程で、毎年9月始まり。大学進学経験のない方向けのMA(修士)コース進学の資格を得る為の過程です。1年目は一般教養が中心の 課程。2年目はFachjahr(専科の年)と呼ばれ、専科のみに専念する。科目は音楽、英語、手芸、工作(木工、石工、金工)と芸術の5つから1つを各 生徒が選ぶ。3年目で初めて教育学的内容が中心になり、2回の教育実習が始まります。
  • MA(修士):BA課程修了者の為の2年間の課程で、毎年9月始まり。シュタイナー学校にてクラス担任と専科教師として教える資格を得る事が出来ます。教育学的内容が中心で、人間認識学や人智学に基づく教授法も含まれ、3回の教育実習があります。
  • MA(修士)クラス教員過程:1年半(18ヶ月)の課程で、毎年2月始まり。シュタイナー学校にてクラス担任と専科教師として教える資格を得る事が出 来ます。(大学卒業資格を持っている方は当コースに編入可)教育学的内容と、人間認識学、人智学に基づく教授法が中心。3回の教育実習があります。
  • MA(修 士)高等部教員過程:1年半(18ヶ月)の課程で、毎年2月始まり。シュタイナー学校にて高等部教師として教える資格を得る事が出来ま す。(大学卒業資格を持っている方は当コースに編入可)教育学的内容と、人間認識学や人智学に基づく教授法(主に高等部向けのみ)が中心。3回の教育実習 があります。
  • オイリュトミーBA(学士):4年間の課程で、毎年9月始まり。オイリュトミーの基礎を学びます。シュタイナー学校にてオイリュトミー教師として教える資格を得る事が出来ます。
  • オイリュトミーMA(学士):1年間の課程で、毎年9月始まり。舞台オイリュトミーを中心に学びます。シュタイナー学校にてオイリュトミー教師として教える資格と共に、プロとして舞台オイリュトミーを上演する資格を得る事が出来ます。

 * オイリュトミーの課程はシュトゥットガルト・オイリュトミウムにて履修されます。

* 学費はどの課程も年間1,600ユーロ(=約20万円、135円/ユーロ時点)。

* * 講義はすべてドイツ語ですが、ドイツ語を学びながら受講する事も可能です。

 (卒業までにTestDaf 4もしくはGoethe Prüfung C1以上の資格が必要です)

 学生の出身地はドイツ国内が中心ですが、3分の1は外国人で、主に日本と韓国からが多く、残りはスペイン、ギリシャや南米からが数人という国際色豊かな構成です。また、年齢的にも幅が広く、約半分ほどが20代ですが、3分の1が30~40代と、6分の1が50代といった構成です。また、既に子供のいる学生も多く、子供を学校に通わせながら大学に来ている方もいらっしゃいます。

 

英語または独語での連絡先:info@freie-hochschule-stuttgart.de

 

卒業生/在校生の声

 この大学の多くの講義は、シュタイナー教育の人智学的な内容を、現代の科学的な認識に基づいて説明しているものが多く、大変面白く、興味深いです。副専攻の授業も頭だけで考えるのではなく、常に活き活きとしていて、全身でそして全人で学ぶことができます。政府から認可された大学ですので、人智学の見識の中でも、特に現代科学の視点から読み解けるものを講義の中で扱っていくという姿勢なのだそうです。私にとっては、シュタイナー教育と真剣に取り組めるとても楽しい学生生活となりましたが、人智学的な内容をより深く勉強されたい方には物足り無いかもしれません。非感覚的な世界は誰もが接近できるものであり、人智学的な考え方はそこへ接近する1つの考え方です。しかし、バランスが大事だと本学で改めて認識しました。本学はシュタイナー教育、人智学について、特に科学的な認識に基づいて学べる大学です。そして、上にも書きましたが、副専攻の講義は本当に面白いです。軽視されがちな副教科を考え直す機会になると思います。(卒業生)

教授陣のほとんどがクラス担任として8年以上教壇に立ち、子供達を実際に教えた経験を持っているので、とても具体的且つ実践的な教育学を学ぶ事が出来ます。「シュタイナーメソッド」といった様な確立された教授法を教わるのではなく、実際に教えることになる学生達それぞれが、自身の気質や個性を正しく把握し、教え方や内容等を自分で深める事を重要視しています。また、本当の意味で学生の自主性が重んじられており、上から教えられるという形ではなく、「学生=大学の最重要構成員であり、未来のシュタイナー教育を担っていく存在」と捉え、常に学生が中心にあると感じられる授業内容や課程です。また、過去の教材や授業計画が先行するのではなく、現代の子供達に合った形で授業を将来学生達が行う事が出来るよう、教授陣も大学での授業を工夫しているということを常に感じます。因みに、私自身は入学半年前にドイツ語を学び始めた為、初めの半年は授業の殆どがよく分かりませんでしたが、何とかなるものです。また、本校での音楽の授業は「音楽と一つになる」という様な体験が出来るもので、音楽嫌いだった私が音楽専攻をするまでになりました。(在校生)

シュタイナー教育に興味を持っていたものの、ドイツ語での授業についていけるか、とか、小さい子供が家庭にいてどうやって学業生活と両立していくのかと迷っていましたが、学校説明会に参加した折り、担当教授から、やる気があるのならぜひ始めてみなさい!問題がでてきたらそのときにまた対応を考えましょう、と励まされ入学を決意しました。実際に大学生活が始まると、たしかにいろいろと難しいこともでてきましたが、なんとかなるものです。カリキュラムは理論(人智学)、実体験(音楽、美術、オイリュトミー)、教育実習と広範囲にまたがり、生きたシュタイナー教育をアタマだけではなく、自分の体全体を使って学ぶことができる、というのが私の実感です。また、キャンパスの独特にオープンな雰囲気もシュタイナー教育ならではです。私は40を過ぎて入学しましたが、同年代の学生も少なくはなく、みな自分の専門分野のスペシャリストであることに誇りを持ちつつ、シュタイナー学校の教師になるという同じ目標を持っているので、とても励まされます。(在校生)